中国 国防動員法全文

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【引用】
中国国防動員法の制定
中華人民共和国主席令

第25号
「中華人民共和国国防動員法」が中華人民共和国第11期全国人民代表大会常務委員会第13回会議を2010年2月26日に通過したので、公布する。2010年7月1日から施行する。
中華人民共和国主席 胡錦濤
2010年2月26日

 
中華人民共和国国防動員法

【目次】
第1 章 総則
第2 章 組織指導機構及びその職権
第3 章 国防動員計画、実施準備計画及び潜在力統計調査
第4 章 国防と密接に関係する建設プロジェクト及び重要な生産品
第5 章 予備役要員の確保及び召集
第6 章 戦略物資の備蓄及び調達使用
第7 章 軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障
第8 章 戦争災害の予防及び救助
第9 章 国防勤務
第10章 民生用資源の徴用及び補償
第11章 宣伝教育
第12章 特別措置
第13章 法的責任
第14章 附則

第1 章 総則
第1 条 国防建設を強化し、国防動員制度を完全なものとし、国防動員業務の順調な進行を保障し、国家の主権、統一、領土の完全性及び安全を守るため、憲法に基づき、この法律を制定する。
第2 条 この法律は国防動員の準備、実施及び関連する活動に適用する。
第3 条 国は、国防動員構築を強化し、国防安全の必要に適応し、経済社会の発展と調和し及び突発性事件の応急システムと連携した国防動員体系を築き整備し、国防動員能力を増強する。
第4 条 国防動員は、平時と戦時との結合、軍需と民需との結合及び寓軍於民という方針を堅持し、統一的指導、全国民の参加、長期的準備、重点的建設、全局を考慮した統一的計画及び秩序があり効率が高いことという原則に従う。
第5 条 公民及び組織は、平時には法により国防動員準備業務を完遂しなければならない。国が国防動員の実施を決定した後には、所定の国防動員任務を完遂しなければならない。
第6 条 国は、国防動員に必要な経費を保障する。国防動員の経費は職権区分の原則に基づき、それぞれ中央及び地方の財政予算に計上する。
第7 条 国は、国防動員業務において著しい貢献をした公民及び組織を表彰し、及びこれに褒賞を与える。

第2 章 組織指導機構及びその職権
第8 条 国家の主権、統一、領土の完全性及び安全が脅かされたときには、全国人民代表大会常務委員会は、憲法及び関係する法律の規定に基づき、全国総動員又は部分動員を決定する。国家主席は、全国人民代表大会常務委員会の決定に基づき、動員令を公布する。
第9 条 国務院及び中央軍事委員会は、共同で全国の国防動員業務を指導し、国防動員業務に関する方針、政策及び法規を制定し、全国人民代表大会常務委員会に対し全国総動員又は部分動員を実施する議案を提出し、全国人民代表大会常務委員会の決定及び国家主席が公布する動員令に基づき、国防動員の実施を組織する。
 国家の主権、統一、領土の完全性及び安全が直接的な脅威を受け、直ちに対応措置をとらなければならないときには、国務院及び中央軍事委員会は、応急処置の必要に基づき、この法律が規定する必要な国防動員の措置をとり、同時に全国人民代表大会常務委員会に報告しなければならない。
第10条 地方人民政府は、国防動員業務の方針、政策及び法令を徹底し執行しなければならない。国が国防動員の実施を決定した後は、上級機関が下達する国防動員の任務に基づき、当該行政区域の国防動員の実施を組織しなければならない。
 県級以上の地方人民政府は、法律が規定する権限により、当該行政区域の国防動員業務を管理する。
第11条 県級以上の人民政府の関係部門及び軍隊の関係部門は、各職務の範囲内で、関連する国防動員業務について責任を負う。
第12条 国家国防動員委員会は、国務院及び中央軍事委員会の指導の下で、全国の国防動員業務を組織化し、指導し及び調整する責任を負う。[国家国防動員委員会が]所定の権限及び手続により協議して決定した事項は、国務院及び中央軍事委員会の関係部門が、各自の職責に応じて準備を行い実施する。軍区国防動員委員会及び県級以上の地方各級国防動員委員会は、当該区域の国防動員業務の組織化、指導及び調整について責任を負う。
第13条 国防動員委員会の事務機構は、当該級の国防動員委員会の日常業務を担当し、法に従い関連する国防動員の職務を遂行する。
第14条 国家の主権、統一、領土の完全性及び安全を脅かす脅威が取り除かれた後には、国防動員の実施を決定した権限及び手続に基づいて、国防動員の実施措置を解除しなければならない。

第3 章 国防動員計画、実施準備計画及び潜在力統計調査
第15条 国は国防動員計画、国防動員実施準備計画及び国防動員潜在力統計調査の制度を実施する。
第16条 国防動員計画及び国防動員実施準備計画は、国防動員の方針及び原則、国防動員の潜在力の状況並びに軍事上の必要性に基づき制定する。軍事上の必要性は、軍隊の関係する部門が所定の権限及び手続に基づき提示する。
 国防動員実施準備計画及び突発性事件応急処置準備計画は、指揮、[動員された]力の使用、情報及び保障等の面で互いに連携しなければならない。
第17条 各級国防動員計画及び国防動員実施準備計画の制定と審査許可は、国の関連規定により行う。
第18条 県級以上の人民政府は、国防動員の関連する内容を「国民経済及び社会発展計画」に組み入れなければならない。軍隊の関係部門は、国防動員実施準備計画を軍備計画に組み入れなければならない。
 県級以上の人民政府及びその関係部門並びに軍隊の関係部門は、職務に基づき、国防動員計画及び国防動員実施準備計画を実施しなければならない。
第19条 県級以上の人民政府の統計機構及び関係部門は、国防動員の必要に基づき、当該各級の国防動員委員会の事務機構に対し、関係する正確な統計資料を遅滞なく提供しなければならない。提供する統計資料が需要を満たすことができないときには、国防動員委員会事務機構は、「中華人民共和国統計法」及び国家の関連規定に基づき、国防動員潜在力専項統計調査を準備し実施することができる。
第20条 国は、国防動員計画及び国防動員実施準備計画の実施状況に対する評価検査制度を構築する。

第4 章 国防と密接に関係する建設プロジェクト及び重要な生産品

第21条 国防動員の必要に基づき、国防と密接に関係する建設プロジェクト及び重要な生産品は国防要求を満たし国防の機能を備えなければならない。
第22条 国防と密接に関係する建設プロジェクト及び重要な生産品の目録は、国務院の経済発展総合管理部門が、国務院のその他の関係部門及び軍隊の関連部門と共同で作成し、国務院及び中央軍事委員会に報告し、その許可を得なければならない。
 目録に記載された建設プロジェクト及び重要な生産品について、その軍事上の必要性は軍隊の関係部門が提示する。建設プロジェクトを審査し、及び許可し、並びに重要な生産品の設計図面を決定するときには、県級以上の人民政府の関係主管部門は、規定に基づき、軍隊の関係部門の意見を求めなければならない。
第23条 目録に記載された建設プロジェクト及び重要な生産品は、関連する法令及び国防の要求を満たす技術規範及び規格に基づき、設計、生産、施工、管理監督及び検収を行い、建設プロジェクト及び重要な生産品の品質を保証しなければならない。
第24条 企業・事業体が、目録に記載されている建設プロジェクトの建設又は重要な生産品の研究、開発及び製造に投資するとき又は投資に参加するときは、関連する法律、行政法規及び国家の関連規定に基づき、補助金又はその他の政策的優遇措置を受ける。
第25条 県級以上の人民政府は、目録に記載されている建設プロジェクト及び重要な生産品の国防要求を満たす業務に対し、指導及び政策の支援を行わなければならず、関係部門は職務に従い、関係する管理業務を遂行しなければならない。

第5 章 予備役要員の確保及び召集
第26条 国は予備役要員の確保制度を実施する。
 国は、国防動員の必要に基づき、規模が適正であり、構成が科学的であり及び配置が合理的であるという原則に従い、必要な予備役要員を確保する。
 国務院及び中央軍事委員会は、国防動員の必要に基づき、予備役要員の確保の規模、種類及び方式を決定する。
第27条 予備役要員は、専門性と兵種が合致し、動員が容易であるという原則に従い、現役部隊への予備編入、予備役部隊への編入、民兵組織への編入又はその他の形式で確保する。
 国は、国防動員の要求に基づき、予備役専門技術兵員確保区を構築する。
 国は、予備役要員の訓練及び確保のために条件及び保障を提供する。予備役要員は法により、訓練に参加しなければならない。
第28条 県級以上の地方人民政府の兵役機関は、当該行政区域の予備役要員を確保する業務を準備し実施する。県級以上の地方人民政府の関係部門、予備役要員の所在郷(鎮)人民政府、街道事務所及び企業・事業体は、兵役機関の予備役要員確保に関する業務の遂行に協力しなければならない。
第29条 現役部隊に予備編入され、又は予備役部隊に編入された予備役要員及び召集予定の他の予備役要員は、予備役登録地を1 か月以上離れるときには、その予備役登録をした兵役機関に報告しなければならない。
第30条 国が国防動員の実施を決定した後には、県級人民政府の兵役機関は、上級機関の命令に基づき、迅速に、召集される予備役要員に召集通知を伝達しなければならない。
 召集通知を受けた予備役要員は、通知の要求に従い、指定された場所に出頭しなければならない。
第31条 召集された予備役要員が所属する組織は、兵役機関の予備役要員の召集業務の遂行に協力しなければならない。
 交通運輸に従事する組織及び個人は、召集される予備役要員を優先的に輸送しなければならない。
第32条 国が国防動員の実施を決定した後は、召集予定の予備役要員でその予備役等登録地の県級人民政府の兵役機関の許可を得ていないものは、予備役登録地を離れてはならない。すでに予備役登録地を離れている者は、兵役機関からの通知を受けた後、直ちに戻り、又は指定された場所に出頭しなければならない。

第6 章 戦略物資の備蓄及び調達使用
第33条 国は、国防動員の必要に応じた戦略物資の備蓄及び調達利用制度を実施する。
 戦略物資の備蓄は国務院の関係主管部門が準備し実施する。
第34条 戦略物資の備蓄任務を担当する組織は、国の関連する規定及び基準に従い、備蓄物資の保管及び保護を行い、定期的に入れ替えの調整を行い、備蓄物資の使用上の機能と安全を保証しなければならない。
 国は関係規定に従い、戦略物資の備蓄任務を担当する組織に対し、補助金を支給する。
第35条 戦略物資は、国の関連する規定に従い調達し使用する。国が国防動員の実施を決定した後は、戦略物資の調達使用は、国務院及び中央軍事委員会がこれを許可する。
第36条 国防動員が必要とするその他の物資の備蓄及び調達使用は、関係する法令の規定に基づき執行する。

第7 章 軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障
第37条 国は、軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障の動員体系を構築し、戦時における軍隊の商品発注及び装備保障の必要に基づき、軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障の能力を蓄えなければならない。
 この法律で軍需品とは、軍事目的に用いる装備、物資、専用の生産設備、機材等をいう。
第38条 軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障の能力の備蓄の種類、配置及び規模は、国務院の関係主管部門が軍隊の関係部門と共同で計画を提出し、国務院及び中央軍事委員会に報告し、許可を得た後に、準備し実施する。
第39条 生産品目の変更、軍需品の拡大生産及び維持補修保障の任務を担当する組織は、その担う国防動員の任務に基づき、必要な設備、材料、附属部品及び技術を蓄え、必要とされる専門技術の部隊を築き、準備計画及び措置を制定し、完全なものとしなければならない。
第40条 各級人民政府は、生産品目の変更及び軍需品の拡大生産の任務を担う組織が先進的な軍民両用技術を開発し及び応用し、軍民に通用する技術規格を普及させ、軍需品の変更生産及び軍需品の拡大生産を行う総合保障能力を向上させることを支持し援助しなければならない。
 国務院の関係主管部門は、地区又は業種にわたる生産品目の変更及び軍需品の拡大生産の重大な任務の実施に対し、調整を行い、かつ、支持を与えなければならない。
第41条 国が国防動員の実施を決定した後は、生産品目の変更、軍需品の拡大生産の任務を担当する組織は、国の軍需品発注契約並びに生産品目の変更及び拡大生産の要求に応じて、軍需品の科学技術研究及び生産の準備を行い、軍需品の品質を保証し、期日どおりに発注品を引き渡し、軍隊に協力して維持補修保障任務を完遂しなければならない。生産品目の変更及び軍需品の拡大生産のためにエネルギー、材料、設備及び附属部品を提供する組織は、優先的に生産品目の変更及び軍需品
の拡大生産の必要を満たさなければならない。
 国は、生産品目の変更及び軍需品の拡大生産の任務を担当したために直接的な経済損失を生じた組織に対し、補償を与えなければならない。

第8 章 戦争災害の予防及び救助
第42条 国は、戦争災害を予防し及び救助する制度を実施し、人民の生命及び財産の安全を保護し、国防動員の潜在力及び動員を維持する能力を保障しなければならない。
第43条 国は、軍事目標、経済目標、社会目標及び首脳機関のクラス別防護制度を構築する。クラス別防護の基準は国務院及び中央軍事委員会が定める。
 軍事目標、経済目標、社会目標及び首脳機関の防護業務は、県級以上の人民政府が、関連する軍事機関と共同で準備し実施する。
第44条 軍事目標、経済目標、社会目標及び首脳機関の防護任務を担当する組織は、防護計画及び応急修理準備計画を制定し、防護訓練を行い、防護措置を実施し、総合的な防護効果を向上させなければならない。
第45条 国は、平時と戦時とを結合した医療衛生救護体制を構築する。国が国防動員の実施を決定した後は、医療衛生要員を動員し、薬品、機材及び設備施設を調達使用し、戦時医療救護及び衛生防疫を保障しなければならない。
第46条 国が国防動員の実施を決定した後は、要員、物資の分散及び隠ぺいは、行政区域内で実施するものについては、当該人民政府が実施を決定し、かつ、準備を行い実施する。2 以上の行政区域にわたって行うときには、関係する行政区域の1 級上の人民政府が実施を決定し、かつ、準備を行い実施する。
 要員、物資の分散及び隠ぺいの任務を担当する組織は、関係する人民政府の決定に従い、定められた時間内に分散及び隠ぺいの任務を完遂しなければならない。
第47条 戦争災害が発生したときには、当該地域の人民政府は応急救助のシステムを迅速に発動し、[動員された]力を組織して負傷者を救助し、被災民を避難させ、財産を保護し、戦争災害の結果をできるだけ早く除去し、正常な生産及び生活秩序を回復させなければならない。
 戦争災害を受けた人及び組織は、遅滞なく自助互助の措置を採り、戦争災害がもたらす損失を軽減しなければならない。

第9 章 国防勤務
第48条 国が国防動員の実施を決定した後には、県級以上の人民政府は、国防動員実施の必要に基づき、この法律の規定する条件に適合する公民及び組織を動員し、国防勤務を担わせることができる。
 この法律で国防勤務とは、軍隊の作戦を支援し及び保障し、戦争災害を予防し及び救助し並びに社会秩序の維持に協力する任務をいう。
第49条 満18歳から満60歳までの男性公民及び満18歳から満55歳までの女性公民は、国防勤務を担わなければならない。ただし、次のいずれかに該当するときには、国防勤務を免除する。
 ⑴ 託児所、幼稚園、孤児院、養老院、障害者リハビリテーション機関、救助ステーション等の社会福祉機関で管理及びサービス業務に従事している公民
 ⑵ 義務教育段階の学校で教育、管理及びサービス業務に従事している公民
 ⑶ 妊娠中又は授乳期間中の女性公民
 ⑷ 病気で国防勤務を担うことができない公民
 ⑸ 労働能力を喪失している公民
 ⑹ 国連等政府間国際組織に勤務する公民
 ⑺ その他県級以上の人民政府が国防勤務の免除を決定した公民
 特殊な専門的技術を有する専門技術者が特定の国防勤務を担うときには、前項で規定する年齢の制限を受けない。
第50条 国防勤務を担うことが確定した要員は、指揮に従い、職務を履行し、規律を遵守し、秘密を守らなければならない。国防勤務を担う要員が所属する組織は、当該要員に支持及び協力を与えなければならない。
第51条 交通運輸、郵政、電信、医薬衛生、食品及び食糧の供給、プロジェクト建築、エネルギー化学工業、大型水利施設、民生用原子力施設、報道メディア、国防の科学研究・生産及び市政施設の保障等の組織は、法により国防勤務を担わなければならない。
 前項に規定する組織は、平時は、専門性の要求に合致し、精鋭な要員を配置し及び緊急時の即応能力を備えるという原則に応じて、専門保障部隊を組織し、訓練及び教練を行い、国防勤務を完遂する能力を向上させなければならない。
第52条 公民及び組織の国防勤務は、県級以上の人民政府が責任を持って組織する。
 戦争災害の予防及び救助を担い、社会秩序の維持業務に協力する公民及び専門保障部隊は、当該地域の人民政府が指揮し、かつ、その勤務及び生活の保障を行う。行政区域を越えて勤務を行うときは、関係する行政区域の県級以上の地方人民政府がそれらの保障を準備し実施する。
 軍隊作戦の支援及び保障の業務を担う公民及び専門保障部隊は、軍事機関が指揮し、部隊に従い行動する者については、所属部隊がその業務及び生活の保障を行う。その他は、当該地域の人民政府が業務及び生活の保障を行う。
第53条 国防業務を担う要員が業務を執行している期間は、元の所属組織の賃金、手当及びその他の福利待遇を引き続き享受する。所属組織がない者には、当該地域の人民政府が、民兵の軍備業務執行時の手当の基準を参考にして手当を与える。国防業務の執行のために死傷した者には、当該地域の県級人民政府が「軍人補償優遇条例」等関係する規定に従い補償及び優遇措置を与える。

第10章 民生用資源の徴用及び補償
第54条 国が国防動員の実施を決定した後に、備蓄物資が動員の需要を遅滞なく満たすことができなくなったときには、県級以上の人民政府は、法により民生用資源を徴用することができる。
 この法律で民生用資源とは、組織及び個人が所有し又は使用している、社会生産、サービス及び生活に用いる施設、設備及び場所その他物資をいう。
第55条 いかなる組織及び個人も、法による民生用資源の徴用を受忍する義務を有する。
 民生用資源を使用する必要のある中国人民解放軍の現役部隊及び予備役部隊、中国人民武装警察部隊並びに民兵組織は、徴用の需要を提示しなければならず、県級以上の地方人民政府が統一的に徴用を行うものとする。県級以上の地方人民政府は、徴用される民生用資源の登録を行い、被徴用者に証書を発行しなければならない。
第56条 次に掲げる民生用資源は、徴用を免除する。
 ⑴ 個人及び家庭生活の必需品及び住居
 ⑵ 託児所、幼稚園、孤児院、養老院、障害者リハビリテーション機構、救助ステーション等の社会福祉機関が児童、老人、障害者及び救助対象者に保障する生活必需品及び住居
 ⑶ 法律及び行政法規が規定する、徴用を免除するその他の民生用資源
第57条 徴用される民生用資源が、軍事的要求に基づき改造されなければならない場合には、県級以上の地方人民政府は、軍事関係機構と共同して準備を行い実施する。
 改造の任務を担当する組織は、使用組織が提出する軍事要求及び改造計画に基づき改造を行い、かつ、期日どおりに交付し、その用に供することを保証しなければならない。改造に必要な経費は、国が負担する。
第58条 徴用された民生用資源の使用が完了したときには、県級以上の地方人民政府は、遅滞なく準備し返却しなければならない。改造をした場合には、元来の使用機能を回復した後に返却しなければならない。修復できない場合若しくは滅失した場合、又は徴用により直接的経済損失を生じた場合には、国の関連規定に従い補償を与える。
第59条 中国人民解放軍の現役部隊及び予備役部隊、中国人民武装警察部隊並びに民兵組織が軍事演習及び訓練を行い、民生用資源を徴用し又は臨時に管制措置をとる必要がある場合には、国務院及び中央軍事委員会の関連規定に従い執行する。

第11章 宣伝教育
第60条 各級人民政府は、国防動員の宣伝教育の準備を行い実施し、公民の国防意識及び法に従い国防義務を履行するという意識を強化しなければならない。関連する軍事機関は、国防動員の宣伝教育業務の遂行に協力しなければならない。
第61条 国家機関、社会団体、企業・事業体及び末端の大衆自治組織は、構成員が、必要な国防知識及び技能を学習し習熟できるようにしなければならない。
第62条 各級人民政府は、各種の宣伝媒体及び宣伝手段を利用して、公民に対し愛国主義及び革命英雄主義の宣伝教育を行い、公民の愛国の熱意を呼び起こし、公民の積極的な参戦及び前線支援を鼓舞し、多様な方法により軍の支持、軍人の家族の優遇及び慰問活動を行い、国の関連する規定に従い、軍人の補償優遇業務を遂行しなければならない。
 報道出版、ラジオ・映画・テレビ及びネットワークメディア等の組織は、国防動員の要求に基づき、宣伝教育及び関連業務を遂行しなければならない。

第12章 特別措置

 
第63条 国が国防動員の実施を決定した後には、必要に基づき、法に従い、国防動員を実施する区域内で次に掲げる特別措置を採ることができる。
 ⑴ 金融、交通運輸、郵政、電信、報道・出版、ラジオ・映画・テレビ、情報ネットワーク、エネルギー及び水資源の供給、医薬衛生、食品及び食糧の供給、商業貿易等の業種に対し管制を敷くこと。
 ⑵ 人の活動する区域、時間及び方式並びに物資及び運送手段の出入する区域について、必要な制限を課すること。
 ⑶ 国家機関、社会団体及び企業・事業体において特殊な業務制度を行うこと。
 ⑷ 武装組織のために、優先的に各種の交通を保障すること。
 ⑸ その他必要な特別措置
第64条 全国又は一部の省、自治区若しくは直轄市において特別措置を実施する場合には、国務院及び中央軍事委員会が決定し、かつ、準備を行い実施する。省、自治区及び直轄市の範囲内の一部の地区で特別措置を実施する場合には、国務院及び中央軍事委員会がこれを決定し、特別措置実施区域内の省、自治区及び直轄市の人民政府及びこれと同級の軍事機関が準備を行い実施する。
第65条 特別措置を準備し実施する機関は、所定の権限、区域及び期限の範囲内で特別措置を実施しなければならない。特別措置実施区域内の公民及び組織は、特別措置を準備し実施する機関の管理に従わなければならない。
第66条 特別措置の実施が必要でなくなったときには、遅滞なく中止しなければならない。
第67条 国が動員令を公布したために、訴訟、行政不服審査及び仲裁活動が正常に行われない場合には、関連する時効の停止及び手続中止の規定を適用する。ただし、法律に別段の定めがある場合を除く。

第13章 法的責任
第68条 公民が次に掲げる行為のいずれかをした場合には、県級人民政府は、期限内に是正を命ずる。期限を過ぎても是正されない場合には、強制的に義務を履行させるものとする。
 ⑴ 現役部隊に予備編入され、又は予備役部隊に編入された予備役要員及び召集予定のその他の予備役要員が、予備役登録地を1か月以上離れ、予備役登録した兵役機関に報告を行っていない場合
 ⑵ 国が国防動員の実施を決定した後に、召集予定の予備役要員が予備役登録をした兵役機関の許可を得ずに予備役登録地を離れた場合、兵役機関の要求に応じて遅滞なく戻らなかった場合、又は指定地点に出頭しなかった場合
 ⑶ 召集を拒絶し若しくは忌避し、又は国防勤務を拒絶し若しくは忌避した場合
 ⑷ 民生用資源の徴用を拒絶し若しくは遅らせ、又は徴用される民生用資源の改造を妨害した場合
 ⑸ 国防動員業務の秩序を妨害し、若しくは破壊し、又は国防動員業務に従事する要員が法に従い職務を履行するのを妨害した場合
第69条 企業・事業体が次に掲げる行為のいずれかをした場合には、関係する人民政府は、期限を決めて是正を命ずる。期限を過ぎても是正されない場合には、強制的に義務を履行させ、かつ、過料に処するものとする。
 ⑴ 建設を請け負った国防要求を満たす建設プロジェクトにおいて、国防要求、技術規範及び標準に従った設計、施工及び生産を行わなかった場合
 ⑵ 管理の瑕疵により戦略備蓄物資を紛失し、若しくは損壊し、又は戦力物資の徴用に従わない場合
 ⑶ 生産品目の変更、軍需品の拡大生産及び維持補修保障任務の要求に反し、軍需品の科学技術研究、生産及び維持補修保障の能力の整備を行わなかった場合、又は規定に反し専門の技術部隊を組織しなかった場合
 ⑷ 専門保障任務の執行を拒絶し、又は遅延させた場合
 ⑸ 軍からの商品の発注を拒絶し、又は故意に遅らせた場合
 ⑹ 民生用資源の徴用を拒絶し、若しくは遅らせ、又は徴用された民生用資源の改造を妨害した場合
 ⑺ 公民が召集に応じること及び国防勤務義務を担うことを妨害した場合
第70条 次に掲げる行為のいずれかがあった場合には、直接責任を負う主管者その他の直接責任者を、法に従い処分する。
 ⑴ 上級機関から下された国防動員命令を執行しようとしない場合
 ⑵ 職権濫用又は職務怠慢により国防動員業務に重大な損失を与えた場合
 ⑶ 徴用される民生用資源に対し、登記及び証書の発行を行わなかった場合、規定に反する使用により重大な損壊を生じさせた場合又は規定に従い返還若しくは補償を行わなかった場合
 ⑷ 国防動員に関する秘密を漏えいした場合
 ⑸ 国防動員の経費及び物資を横領し、又は流用した場合
 ⑹ 職権を濫用し、公民又は組織の合法的な権益を侵害し、損なった場合
第71条 この法律の規定に違反し、治安管理に違反する行為を構成する場合には、法に従い、治安管理処罰を与える。犯罪を構成する場合には、法に従い刑事責任を追及する。

第14章 附則
第72条 この法律は2010年7 月1 日から施行する。

 

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